GLASSBACCA

グラスの沼

GLASSBACCA Journal vol.3

「GLASSBACCA Journal vol.3」は、国と国の架け橋になる仕事をしたい!

という熱い思いで「JTC株式会社」で海外とのやりとりに日々奮闘する、大槻真吾さんにお話を伺いました。

大槻 真吾
JTC株式会社
営業部マネージャー

お客様の話を丁寧に聞く、
お客様のイメージをコンセプトのところから
デザインに落とし込んでいくことが私の仕事。

GLASSBACCAではカタチのないものから
作り上げていきます。

まずはご相談を!

プロフィール

服飾業界でさまざまな業務を経験後、かねてから興味のあった海外暮らしを経験。ワーホリでオーストラリアに2年滞在後、国と国の架け橋になる仕事がしたいという思いを抱き、帰国、グループ会社であるノーブルトレーダース株式会社に入社後、JTC株式会社へ。海外のメーカーと生産について打ち合わせをしながら、お客様の商品開発に携わる。

ー大槻さんの入社前の経歴を教えてください。

服飾の専門学校卒業後、アパレルの会社に就職。百貨店の店頭での接客販売や営業などさまざまな業務を経験しました。その中で、自分が思い描くポジションにいくには、かなりの時間がかかると気づきました。若いうちに、もっといろんな世界でたくさんの経験をしたい、という思いが強くあり退職。そこからは、思いつくまま、いろんなことに挑戦しました。

その中でも自分に合っていると思ったのが、運送業の仕事です。リースで車を借りて、業務委託として配送するドライバーを約3年ほどしました。時間に縛られるのが嫌いなので、自分の時間を確保しつつ、やったらやっただけ稼げるという仕事はとてもやりがいを感じました。ただ、個人でしている以上、自分が倒れたら終わりということも同時に実感。仕事をする面白さややりがいもありつつ、その厳しさも学びました。

元々、海外暮らしをしたいと思っていて、28歳のとき知り合いの人に、「もう海外に行ける歳じゃないんじゃない?」と言われたのをきっかけに、海外移住について詳しく調べました

その当時の自分が取りやすいビザは「ワーホリ」のビザだと知り、タイムリミットがあと1年くらい、ということがわかりました。そこで、約1年間かけて海外生活を送るための資金準備をし、29歳でオーストラリアへ。その日泊まる宿も決めずに、全くのノープランで海外生活がスタートしました。

現地ではローカルの仕事をしながら、語学力を磨きました。三井物産とか帝国石油などエネルギー系の会社の、インターナショナルムービング(国際引越し)の会社で勤務し、日本とオーストラリア、現地で駐在している人の引越しをサポートする業務に携わりました。このとき、国と国との架け橋になっているという感覚がとてもおもしろいと実感。それと同時に、「自分(日本人)にとって日本が一番住みよい環境である、定住するのは日本だ」ということにも気づきました。

約2年間のオーストラリアでの経験から、日本に帰国したら、国際的な仕事がしたい!という思いが芽生え、将来は「貿易」関係の職に就くことを決意して、31歳で帰国しました。

帰国後、早速貿易関係の仕事を探していたときに、JTC株式会社のグループ会社である「ノーブルトレーダース」を見つけて、就職しました。物流関係の業務を数年担当し、より海外との関係に一番近い部署がある、「JTC株式会社」に異動願いを出し、2017年異動が叶いました。

ーJTC株式会社に入社後は、どのようなお仕事をされていますか?

日本のお客様へ営業をしながら、日々、海外のメーカーとやりとりをしています。ヨーロッパ(トルコ、イタリア、チェコ、スロバキア、ハンガリーなど)の10社くらいをメインに、メーカーへオーダーを入れることや、デリバリーのコントロールをしています。具体的には、生産をいつ行うのか、荷物をどうやって組むか、どのタイミングで、いつ出すとお客様にとって効率的かを考えながら行っています。

ー担当されている業務の中で、やりがいを感じることは何ですか?

海外出張で現地の生産現場を見る機会もあるのですが、そこで知り得た情報を商品開発に生かしています。ホームページから問い合わせくださったお客様とウェブミーティングをし、具体的なお話ができそうならお客様のところまで足を運びます。どんな商品を求めているかというニーズを聞き出し、新しい商品開発につなげていくのがとても楽しく、やりがいを感じます

ーガラスに囲まれた素敵なオフィスですね。こちらのオフィス内装にも、大槻さんが大きく関わられたと聞きましたがー。

2020年夏くらい、コロナ禍で少し暇な時期に、たまたま、大阪ガラス発祥の地である南森町で良い物件が見つかり、現在のオフィス兼ショールームに移転してきました。

物件を初めてみたときは、コンクリートむき出しのガランとした何もない空間で、暗くてじとーっとした雰囲気でした。「オシャレなオフィスにしたい!」「オシャレな空間にしないと、新しいオフィスを構える意味がない」と思っていたので、オフィスデザインの本を何冊も購入し真剣にオフィスインテリアの研究をしました。

予算がないなかで、いくらまで経費をかけられるか?というやりくりが大変でした。たくさんの会社に見積もりをとりましたが、どこも予算に合わず、でも完成型のイメージはできているので、どうやって現実にするかを模索する毎日でした。棚に陳列するガラス製品にどうライトを落とすか?スポットをつけるか?床をコンクリートむき出しにしたい、など。

チェコのメーカーで作った5色のGLASSBACCA表札

ある木工屋さんから「床を1枚はいだらきれいになる」という提案があり、床をはいで、棚と机を低コストで作ってくれるとのことで依頼しました。オフィスデザインの本からアイディアを得て、工事現場で使われる足場の板を棚や机の素材に使うことにしました。木工屋さんにカットしてもらい、ディスプレイの棚をセットしてもらい、その余った板にドリルで脚をつけて、机と椅子を自作しました。ナチュラルな感じの木を使いたいという思いがあったのですが、苦労の結果、イメージに近いオフィスが完成できたと思っています。季節やイベントごとに変えられるように、GLASSSBACCAショップ入り口の表札もガラス製のものをチェコのメーカーで5色作りました

ー2020年12月オフィス完成!

「グラスばっかり」と向き合い、「グラス馬鹿」なスタッフが集結して、「バッカナーレ:お祭り」のような雰囲気でものづくりをする、という意味の屋号「GRASSBACCA」に!

屋号が変わったことで、大槻さんの業務に何か変化はありましたか?

コロナ禍で飲食店の方々が時間的に余裕ができたようで、お客様からの問い合わせが増えました。

以前のオフィスでは、プロのガラス屋同士のやりとりがほぼ100%でしたが、オフィスに多くのガラス製品を陳列しショールームにすることで、ガラスのことを専門的に知らないお客様からの問い合わせや来店が増えてきました。

オフィスと同時に、ホームページも新しく作ったこともあり、今まで問い合わせが来なかった方、新規のお客様が増え、とても嬉しいです。たくさんのグラスやガラス製品が陳列されているオフィスでは、一気に創作意欲が湧くとのお客様のお声も多く、商品開発がやりやすい環境になったと思います。

ー具体的に、お客様とのグラス開発のエピソードを教えていただけますか?

最近担当した2つのケースをご紹介します。1つ目は、バーのオーナー様からお問い合わせをいただきました。コロナ禍で営業できない時間があり、その空いた時間を有効活用したいとのこと。オーナー様は元々ガラスが好きで、こだわりの強い方です。気に入って購入していたグラスが廃盤になったので、同じ形のロックグラス3種類、お店で使うだけでなく、販売用のグラス制作も希望されていました。

作りたいグラスのサイズは決まっていたので、まずはデザインのヒアリングから。ショールームで見本を見ていただき、こちらで図面をひき、アンティークデザインを元に何パターンかをご提案。その中から気に入ったデザインのサンプルをチェコで制作しました。

サンプルを作ってお見せするまで約2ヶ月、というのを何度か繰り返し、10種類のサンプルの中から約1年かけて、3種類のロックグラスが完成!初回オーダーで納品した360個(120個×3種類)はすぐに完売し、すぐに同数のリピートオーダーをいただきました。また、デザイン会社を通じてロゴを制作し、お客様の要望で、化粧箱の別注のお手伝いもいたしました

ー大槻さんからはどんな提案をされたか、教えて下さい。

この大きさで!というサイズのみしか決まっていなかったので、綿密なお打ち合わせを元に、沢山ご提案させていただきました。例えば、デザインについてはショールームにある商品をお見せして、こういう柄ができるとかアンティーク模様のご提案もしました。

バーで使うだけでなく、ご進物用のグラス販売も検討されていたので、箱製作の提案もこちらからしました。箱屋と打ち合わせを重ね、お客様のコンセプトに合う紙質をご提案。今回はパール紙を使い、箱の中は天面と底面両方にウレタンと布を貼るなど、グラスの質に合わせて上質な箱を選びました

お客様には箱の製作を依頼する業者のツテがなく、進物用の箱までお世話するガラス屋は少ないので、とても喜ばれました。

ーもうひとつのケースもお聞かせください。

2つ目のケースは、ゲームアプリの会社から、リニューアルしたGLASSBACCAのホームページを見て、お問い合わせをいただきました。ゲームに使われている音楽のコンサートでの、物販用の販促品を作りたいとのことでした。

具体的に作りたいグラスのイメージをお持ちではなかったので、ショールームでいろんな商品を見ていただき、お話を伺いました。「女性の手におさまるサイズ、洗いやすいように高さは低めなものが良い」とご要望され、いくつかデザインのご希望をお伺いした上で、図面をひきご提案いたしました。

他の案件の打ち合わせ風景

今回のケースで私が提案したのは、プリントではなく、ヨーロッパで伝統的に施される「パントエッチング」という装飾技法によって立体感のあるデザイン。そして、グラスの底面にブルーの塗料を入れ、キラキラ模様が浮かび上がる「ラスター加工」と、ガラスの表面にゆるやかなラインを持たせる「モール加工」も加えてご提案しました。微に入り細に入り、ここまでこだわった決めの細かい販促品を作るところはないのでは、ととても気に入っていただきました。

制作したサンプルを確認していただき、製品化するデザインも決まり、はじめましてから約半年後に300個を無事に納品。発売してすぐに完売とのことで、2回目には450個の追加注文をいただき、現在製作中です。

ー大槻さんの仕事に対するポリシーは?

とにかく、お客様の話を丁寧に聞くこと。ぼやっとした状態のお客様のイメージをコンセプトのところからデザインに落とし込んでいくことを意識しています。お客様の要望を聞いて、それを叶えるにはどこの会社(工場)に依頼するか、オフィス内のスタッフにも相談、確認しながら決めています。1箇所の工場で完成することもあれば、2箇所またがって完成させるものもあります。

こちらのショールームには多くの製品があるので、お客様がイメージしやすくなっています。それでもイメージに合うものが無い場合は、ゼロから作っていくこともできます。飲み物を飲むガラス製品の制作において、GLASSBACCAにできないものは無いと思っています。

ーGLASSBACCAだからできることは?

お金も大事だけど、時間はかかるけど、すぐにお金にならない仕事もどんどんとっていっています。面白いからやりましょうか、という感覚を大切にしていて、今はいろんなことにチャレンジする時期だと思っています。「面白そうなことをやりましょう」というのは、GLASSBACCAのメンバー全員に共通する感覚です。

今までならガラス屋同士の取引が多かったですが、今は、ガラスを知らない人と一から開発するというのを積極的に行なっています。ガラスをよく知っている人と知らない人では常識が違うので、ハードルが高いなと感じることは多々あります。でも、ひとつひとつ丁寧に説明しながら、一緒に作り上げていくことにやりがいを感じています。

他のガラス屋が断っているようなことも、GLASSSBACCAでは受けています。これはできないけど、こういう形ならできるという提案を丁寧にしています。予算や数量の面で折り合いがつくか、という問題はありますが、GLASSSBACCAで作れないものは基本的にないと思っています。

ー大槻さんの強みは?

今までさまざまな修羅場をくぐってきたので、自分は何が起こっても動じないこと、だと思います。立ち止まらず、常に解決策を見出していく努力をしています。貿易はトラブルがつきものなので、毎日のように、何かが無くなり、何かが壊れ、何かが遅れ、何かが上がり、常に、毎日何かが起こります。そんな中で、どうすればお客さんが得するか?どうすれば解決するか?解決策を見つけています。トラブルは無い方がいいけど、日々のトラブルに対して焦らずに「はい、来た」という感覚で対応していくことも大事だと考えています。

ー今後、GLASSSBACCAで挑戦したいことは?

今無いものを作りたいです。それは、商品かもしれないし、新しいビジネスモデルや、もしかするとガラスじゃないかもしれません。とにかく、今無いものを作りたいと思っています。

そのために、常にアイディアを探しています。アイディアは必然だと思っているので、自分が求めれば降りてくる。ジャンルを問わずいろんな本を読んだり、形状に困っていれば美術館にいくこともあります。そういうものに触れている面積が多ければ多いほど、アイディアが出てくる確率も増えて来ると思います。

ー最後に、これからオリジナルのグラスを作りたいと思っている方に、ひと言お願いします!

他のガラス屋さんで断られたとしても、作れないものはない、と諦めずに、まずはGLASSBACCAにお問い合わせください。