CASE #006
ハッピーエレメンツ オリジナルグラス開発チーム様 インタビュー
①9周年を迎えられた大人気スマホアプリゲーム“メルクストーリア”(以後省略名称:メルスト)のオフラインオーケストライベントのグッズとしてオリジナルグラスをご発注頂きました。
イベントについてお客様の反応などはいかがでしたでしょうか?
おかげさまで大盛況でした。チケットを売り出してからすぐに売り切れになっていまして。
今回、ご時世柄オンライン配信もさせていただいて、そちらもお客様に喜んでいただけたかと思っています。
実際に会場へ行って、後でアーカイブも見ようみたいな両方参加された方もいらっしゃいました。
会場で今回開発したグラスを含めグッズをズラっとディスプレイしていたんですけど、目玉のグラスは最初からかなり注目を浴びていました。
予約注文の紙も夏の1次発送と、冬の2次発送分を用意していたのが、夏用のオリジナルグラスがすぐ売り切れていました。
展示する時にグラスの良さが伝わるよう、光や角度などにもこだわらせて頂きました。
グラスのデザインも細部にまでこだわったので、実物のグラスを見て「わあっ!」と驚かれてから予約の用紙を手に取るような感じでしたね。
この業界はお客様と交流する機会が限られていますので、実際にお客様の反応を傍で見ることができたのが凄く嬉しかったです。
②GLASS BACCAはどのようにご存知になりましたか?
ル・ノーブル(GLASSBACCAのグループ会社が運営している輸入食器店)さんのことを知っていまして。インターネット検索をしていて、グループ会社でガラス専門の会社があることを知ってお問い合わせをさせて頂きました。
③今回なぜ弊社でオリジナルグラスを開発しようと思ったのですか?
実はスタートはオリジナルグラスではなくて、ガラス製品でした。
「ティンクルシード」というアイテムがありまして、水色のキラキラした、メルストゲーム内に登場するアイテムです。
「それをイメージしたグッズが作りたい」というところからスタートしました。
色々な会社に問い合わせをさせて頂きましたが、ガラス製品の知識が無く、希望そのままのデザインで作るのは難しい状況でした。
解決策を模索していたところ、象徴的なテーマの物で「ティンクルシード」そのものではなく、「それをイメージしたもっと別の物」を作ってはどうか、という話になりました。
「雫っぽい・キラキラしている・綺麗」となるとやはりグラスだろう、となり
オーケストラということで、特別感がある物が良いというのと、目玉商品として多少値が張っても手に取って綺麗、高級感、特別感を感じていただける物が作りたくて、その方向(オリジナルグラス)で進めようとチームで決定しました。
開発においては、光に当たった時にどう見えるかにとても気を付けて、オリジナルグラスをデザインしていただきました。
グラスは青色がいいよねとか、光に透かした時に何か地面に当たる所が水っぽくてゆらゆらしていて綺麗とか、拘るポイントもイメージできていたので、もしかしたら私達には初めから「こういうグラスが良いかな」みたいなビジョンがあったのかもしれないです。
当初はぼんやりしたイメージだったけど、ご連絡させていただいたときに「とにかく見に来てください」って言って頂けたのが一番大きかったです。
「とりあえず見ないと分からないな」というのは私たちがゲームを作っている時も同じで、こういうのをやりましょうとなった時に皆それぞれ違うものをぼんやり思い浮かべているので、まずはビジュアルで共有するということがとても重要なんです。
今回も実物グラスサンプルをたくさん見せていただいたおかげで、開発チーム全員が同じ方向を向けたんだと思います。
④今回のオリジナルグラス開発において、お名刺を拝見したところゲームデザイナー、グラフィックデザイナー、アニメーションデザイナーの3人でチームを構成されていたように見受けられますが、この編成はどのように決まったのですか?
弊社の場合はアプリタイトル毎に部署になっているイメージです。
我々はメルストチームという大きなチームがありまして。それぞれその中で役割分担をしているのですが、今回オーケストライベントをやろうという時に、その中の有志でグッズを作りたいというメンバーで構成しました。
一応会社の中にグッズを専門に扱う部署もあるのですが、そこにも協力してもらい、今回はメルストチームが主体となって開発を進めました。
社風が、「やりたい!」という人がいればその人たちでやった方がいいものが出来るだろうという考え方なので、有志でチームを構成したといった感じです。
⑤初めて弊社に来社頂いた際、すごく楽しそうに、とんとん拍子にデザインが決まっていったことが凄く記憶に残っているのですが、開発において大事にされた部分はありますか?
御社のビジョンでもある「熱狂的に愛されるコンテンツをつくる」と言うのが関係しているのでしょうか?
会社のメンバーには「ユーザーファースト」という共通認識があります。
「サイズは手に収まる物が良い」とか、「光が当たった時の綺麗さ」とか、そこにはやはりユーザーさんが使う場面や、グッズを買うならユーザーさんがどんな風にしたら喜ぶだろうというのを自然に想像していました。
メルストを熱狂的に愛してくださっているお客さんにどうやったら手に取ってもらえるか、飾りたいと思ってもらえるか、各々そういう観点から意見を出し合い、お客様目線にこだわって完成できたかと思います。
⑥まだ世の中にないものを0→1(ゼロイチ)で商品開発されている点や、
チームで裁量をもっていて意思決定までのスピードが早い部分がGLASS BACCAと共通する点を感じるのですが、
プロジェクトを進めていくうえで大切にされている部分などはございますか?
弊社代表の新井の思いとして、現場が一番ゲームのことを愛していて詳しいだろうという思いがありまして。
社長などの経営層からトップダウンでああしろ、こうしろと指示するのは最終的に製作チームとユーザーの為にやることとは離れてしまいがちなのではないかという、元々あったそういう考えからこの会社を作っているので、会社設立時の思いが現在の体制に繋がっています。
そして、各チームには一定の裁量が与えられています。
もちろん大きなプロジェクトになれば社長、経理に相談が必要な場面もありますが、実はゲームの中で何をしているかというのは、全然報告していないんです(笑)
私の前職では、所謂ハンコリレーがあるような会社でゲームを作っていたのですが、HAPPY ELEMENTS入社当初は今の体制が早すぎて戸惑いました。
モノづくりにおいてはそこに集中できる体制・環境だなと強く感じています。
一般的な承認体制も承認を待っている間に冷静になれるという良い部分がある反面、ハンコリレーをやっていると開発チームの熱が下がってしまうという側面もあると思っています。
ひらめきが、書類が回っているうちに薄れてってしまうというか、ハンコを待っているうちに次の新しいアイデアが出たりするので、チームで裁量をもって決断・実行を進めないと間に合わないんです。
⑦ゲーム開発の場合、いかに短時間でより多くの開発を進めると言うことが1つキーになってくるかと思うのですが、それに対して御社で意識されている取り組み等はありますか?
先ほどの話と重複するところはあると思うのですが、速さという意味では、より裁量を分けていくところがあるのかと。
まさに今回のオリジナルグラス開発でも、決定権がある人間がそこにいれば早いということでサンプルをショールームに見に行くときに私が同行させていただきました。
ただ勿論チームの規模感によって社内でもかなりやり方や、細かいルールが違うところはあります。
チームの規模が大きくなると一人で作れる範囲が狭くなってくるので、分業をより進めていたりもします。
それぞれのメリットがあるので各チームで最適なやり方を選んでいる感じですね。
メルストチームの場合はもちろん内容のチェックはしているのですが、スピード重視で熱いうちに速く届けるようにしています。もちろん問題があったらユーザー様には謝らないといけないですが、それをすぐに直して、どんどん新しいサービスを開発してより良いものにしていくためのサイクルを早めていこうという文化ですね。
会社の中でチームの移動をしたりすると、ここはこういうやり方でやっているんだ、と驚かされることもあります。
各チームのリーダーが1週間に一回集まってどんなことをやっているかという
報告会はあるのですけど、行くまでお互いのチームが何をやっているかは知らないんですよ。
もちろんゲームとして世に出るものはチェックしていますし、お互い良いところは取り入れて、より良いチームを目指しています。
⑧初回分があっという間に完売し、追加のご用意までにお時間を頂いてしまいましたが、今回開発にとって苦労した点、逆に良かった点をお聞かせください。
通常私たちはバーチャルな世界にいるので、ニュースで見るヨーロッパの情勢が自分たちの開発している商品にも多少影響が出た時は、大変な状況で、どうやって貨物が船で来るのだろうと、とても不思議な感覚でした。
そして、一番苦労したところは、本当に「グラス開発」のことが何も分からない状態っていうところだったかなと思います。
そもそも異業種の方とのやり取りが滅多にないので、用語が分からない、ということがありました。
例えば、他社へ問い合わせた時はグラスの「生地」はどうします?と聞かれ、生地って何だろう?と、全く何のことか分からなかったんです。
※生地:加工前の元となるグラス、または成型前の融解された状態のガラスの塊
何か分からない状態で立ち入ってはいけない業界だったのか?と思ってしまったぐらいでした。
製法上出来る出来ないなど、組み合わせがきっとあるだろうけど、それも分からないので。見当違いや失礼なことを言っていないかなと心配でした。
メールでやり取りをするとなると、こちらの温度感も伝えにくいので。
先ほどもお話しさせていただいた通りなのですが、分からないことを全部丁寧に教えていただけたっていうところで、すごく安心感がありました。
⑨今回商品のリーフレットにGLASS BACCAの名前を入れてくださっていて、有難いことにそれを見てくださった企業さんから何件かお問い合わせを頂きました。
今後GLASSBACCAで商品開発を検討されている方へ、アドバイス等あればお聞かせください。
最初は御社のロゴを入れようか入れないか社内でも相談していたのですが、
これだけやりとりをして頂いて入れないのはおかしいだろうという話になりました(笑)
本場で作成していることが伝わるのでMade in Slovakia(スロバキア) がまた、魅力的でした。後はロゴを入れるとコラボレーション感や高級感が出て、結果良かったかなと思います。
今回のガラスメーカーのRONA社の設立130年というのを聞いて、100年超の老舗の工房とコラボしましたというのは出さない訳にはいかないだろうと。
後は、御社が関西の会社ということもあり、我々京都の会社からだと気軽に行ける距離なので、開発するときにショールームに伺わせていただき、実物のサンプルを見られて本当に良かったなと思っています。
大きさが何センチって言われても慣れてないとイメージし辛いんですけど、手に取ったら、「あっ大きい、小さい」っていうのがすぐに分かるといった感覚です。
こういうのが作りたいなと頭で想像していたものが目の前で教えて頂いて、触れるというところで、完成形がすごく想像しやすかったところがとても心強かったです。
初めて「こういうオリジナルグラス作りたいな」って検討されている方があっても、安心して相談できる会社さんだなと思いましたし、実際に私たちもとても助かりました。
GLASS BACCA担当者より、
インタビューを終えて、GLASS BACCAとしてHAPPY ELEMENTS様へどうやったら最善のご提案になるか、思いを形にできるか、の部分とHAPPY ELEMENTS様がユーザー様にどうやって記念すべきコンサートイベントを楽しんでいただくか、の部分がとてもリンクしていたことに驚きました。
ユーザー様ファーストの精神を象徴するかのように、商品も前例を見ないほど、多くの加工を組み合わせ、複雑に輝く、唯一無二のオリジナルグラスとなっています。
今後も、より多くのお客様に、GLASS BACCAと仕事してよかったと満足していただけるよう、ノンストップでチャレンジを続けて参ります。