GLASSBACCA

グラスの沼

森酒造場・飛鸞(ひらん)専用グラス誕生秘話

日本酒・グラスラヴァーの皆さま、こんにちは。

この度、グラスバッカで森酒造場の飛鸞(ひらん)専用オリジナルグラス開発させていただきました
日本酒に本気で向き合い、飲み手を想うからこそ生まれた最高の日本酒『飛鸞(ひらん)』。そんな飛鸞(ひらん)の専用グラスを作るにあたり、強いこだわりや熱い想いが込められていました。

今回は森酒造場・飛鸞(ひらん)のリーダーである森雄太郎さんとの対談を経て判明した、森酒造場・飛鸞(ひらん)専用オリジナルグラス誕生秘話をご紹介します

森酒造場とは

森酒造場は長崎県平戸市に蔵を構える、創業・明治28年の歴史が長い酒蔵です。しかし7年ほど前までは流通がほとんどなく、平戸の地でひっそりとお酒を造っていました。

当時はほとんどお酒を造っていない状況だった森酒造場は、経営が厳しい状態になってしまいます。そこで立ち上がったのが、飛鸞(ひらん)のリーダーを務める森雄太郎さんです。

「まずは良い酒をつくらないとダメだよな」と思った森さんは、森酒造場の顔になるお酒を造ろうと『飛鸞(ひらん)』という銘柄の日本酒を手掛けることを決意します

飛鸞(ひらん)というブランド名は平戸の昔の名前である飛鸞(ひらん)島に因んで命名しました。

森酒造場の代表銘柄『飛鸞(ひらん)』のこだわり

「良い酒をつくれば売れる」と信じてやまなかった森さんは、ひたむきに品質を追求しお酒を造り続けました。その想いは今でも引き継がれており、森酒造場の代表銘柄『飛鸞(ひらん)』にはたくさんのこだわりが詰まっています。

■平戸の地域性を活かした自然な酒造り

飛鸞(ひらん)を手掛けるにあたりこだわっているのが、平戸の地域性を酒質にいかに反映できるかということ。飛鸞(ひらん)には、長崎県平戸市で栽培された” にこまる”という食用米を用いています。

長崎県には独自の酒米品種がないため、長崎の食用米である” にこまる”を使って平戸の地域性を表現しているのです。


また飛鸞(ひらん)シリーズの多くは生酛づくりを採用しています。蔵の菌を使って生酛づくりによる自然的な酒造りができるため、地域性が酒質に反映されやすくなります。

このように原料や醸造方法を工夫し、平戸のテロワールを味わえるのが飛鸞(ひらん)の大きな魅力といえるでしょう。

■量より質

戦時中は少ない米でいかに酒を造れるかといった経済的な側面で酒造りをするのが主流でしたが、時代はながれ質が求められるようになりました。

森酒造場でも量より質を大切にした、現代に合った酒造りをしています。「ひとつは経済的な側面で酒を造り、もうひとつは質で勝負する」という事は一切せず、すべての酒に同じ手間暇をかけ同じ品質を求めて酒造りにあたっています。

そのため飛鸞(ひらん)シリーズはさまざまな種類がありますが、どの銘柄も安心して高品質な日本酒が楽しめるのです。

■日常に根付く親しみやすさ

森さんは、「一日疲れて帰ってきても晩酌で飛鸞(ひらん)を飲むと、また明日頑張れる」と背中を押してもらえるようなお酒をイメージして飛鸞(ひらん)を造っているといいます。

「平戸の地域性を活かした自然な酒造り」「量より質」などのこだわりを追求することで、気取りすぎないけれど本当に美味しくて明日の活力になるような日本酒が楽しめるのです。

なぜ飛鸞(ひらん)専用グラスを作ろうと思ったのか?

たくさんのこだわりや熱い想いを詰め込んで丁寧に仕立てられる『飛鸞(ひらん)』ですが、なぜ森さんは飛鸞(ひらん)専用グラスを作ろうと思ったのでしょうか?

森さんはよいお酒を造っても状況が変われば味わいや感じ方は異なると考えていました。それは大切な人と飲むお酒は特別美味しく感じたり、ケンカしながら飲むお酒は味がしなかったりと環境的な要因もあります。

ほかにもグラスや食事などの物理的な要因もあります。そこで「自分たちで提案できる限りよい状況で日本酒を楽しんでもらえば」と思ったとき、飛鸞(ひらん)専用グラスを作ることに着目しました。

日本酒にはグラスの相性の善し悪しがあり「このグラスで飲むとより美味しく感じられる」というグラスもあれば、相性が悪いと本来の魅力を感じられないまま終わってしまう場合もあります

そこで専用グラスを作れば、「この商品にはこのグラスが一番魅力を伝えられる」と私たちから提案できると考えたといいます。

グラスバッカを選んだ理由

森さんに「熱い想いを込めて丁寧に造った大切な日本酒の専用グラスに、なぜグラスバッカを選んだのでしょうか?」とお伺いしてみました。

森さんはもともとグラスバッカの存在を知っていたそうで、「飲むことを楽しくさせるようなグラスを色々つくっている印象があった」とお話してくださいました。

私たちグラスバッカは器を洋服のようなものだと捉えており、お酒が美しくみえたり魅力を引き出したりできるようなグラスを造ることを大切にしています。私たちが作るグラスでお酒を飲んだお客様が、本当のお酒の魅力に気が付き「美味しい」と思ってもらえるような感動体験を提供したいと常に願っているのです。

「心を込めて造った大切な日本酒の魅力を伝えたい」という森酒造場の想いと、「お酒の魅力を引き出すグラスを造りたい」という私どもグラスバッカの想いが重なり、飛鸞(ひらん)専用グラスは生まれたのです。

グラスに込めたこだわりポイント

飛鸞(ひらん)専用グラスを作るにあたりいろんなグラスを試しながら、表現したい味わいや香りが現れるグラスを考案しました。

グラスバッカからいくつかスケッチを出し選んでいただいたものをもとにサンプルを作りました。そして、2度のサンプル試作を経て飛鸞(ひらん)専用グラスが完成しました。

グラスを作る過程で森さんが大事にしたかったポイントとは何だったのでしょうか?ここではグラスに込めたこだわりポイントを深堀していきます

■飲みやすさと扱いやすさ

飛鸞(ひらん)は「一日疲れて帰ってきても晩酌で飛鸞(ひらん)を飲むと、また明日頑張れる」と背中を押してもらえるようなお酒をイメージして造っていると語る森さん。その想いは飛鸞(ひらん)専用グラスにも込められていました。

飛鸞(ひらん)は日常に根付く親しみやすさを大切にしているため、気取ったかっこいいグラスというよりは飲みやすさや使いやすさを重視しています。

飛鸞(ひらん)専用グラスは通常よりも高さをおさえたデザインにしており、家庭で使いやすく畏まらなくていい使いやすさがあります。

森さんは「いいグラスでも、使ってもらわないと意味がない」と扱いやすさや使いやすさを意識し、日常に寄り添ったデザインを大切にしていました。森さんが大切にしている”お酒を楽しむための状況づくりの提案”の心づかいが見えてくるようです。

■飛鸞(ひらん)の味わいが生きる形状

飛鸞(ひらん)専用グラスは飲み口が広がっており、グラス底は膨らんだ形状です。

グラスの飲み口が広がっていることでスッと口の中にお酒が入ってきて、抜けていくような軽やかさを楽しめます。「日本酒の繊細な味わいと香りのふくらみを表現するのに適したグラスだ」と森さんも満足したポイントだと語っています。

また、代表作の「飛鸞(ひらん)にこまる」はボディがしっかりとしたお酒。グラス底を膨らんだ形状にすることで、豊かな香りや風味がしっかりと感じられるのです。

■ロゴマークにも細かいこだわりが!

実はロゴマークに関しても、森さんの細かいこだわりが隠されています。グラスには飛鸞(ひらん)のロゴがあしらわれていますが、そのロゴを使ってお酒が計量できる仕組みになっているのです!

ロゴの下の部分まで注げば60ml、上の部分まで注げば90mlになるようにデザインされています。

日本酒はグラスいっぱいに注いでしまうと、香りや風味が感じとりづらくなります。ロゴの部分まで注ぐように目印をつけることで注ぎすぎを防止し、飛鸞(ひらん)の香りや風味を最大限に楽しめるように工夫されているのです。

またロゴは金色であしらっているのもポイント。

飛鸞(ひらん)は澱が絡んでほんのりと濁っているので、白っぽくなりがちです。そのため、一般的な白いロゴだと消えてしまいます。

「せっかくの飛鸞(ひらん)専用グラスなのに、“飛鸞(ひらん)”のロゴが見えないともったいない」という想いから、ロゴに金を入れて美しく見えるように工夫しています。

おわりに

今回の記事では森酒造場・飛鸞(ひらん)専用オリジナルグラス開発秘話を紹介しました。森酒造場・飛鸞(ひらん)のリーダーである森雄太郎さんとの対談を経て、日本酒造りに対する熱い想いがひしひしと感じられました

「日本酒を楽しむために最高の状況を提案しよう」という想いから生まれた飛鸞(ひらん)専用グラスで、飛鸞(ひらん)を飲んでみたいと思った方も多いのではないでしょうか?