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グラスの沼

日本酒をグラスで飲むメリットとは? お猪口(陶器)との味わいの違いを徹底比較!

日本酒といえば、お猪口(ちょこ)で飲むイメージが強いですが、最近ではグラスで楽しむ人も増えています。実は、器の素材や形状によって、日本酒の香りや味わいが大きく変わるのをご存じでしょうか?

本記事では日本酒をグラスで飲むメリットと、お猪口(陶器)との味わいの違いについて詳しく解説していきます。あなたにぴったりの飲み方を見つける参考になれば幸いです。

酒器によって日本酒の味が変わる!?

日本酒は酒器によって、味わいが大きく変化する飲み物です。

グラスは口が広いため香りが立ちやすく、特に吟醸酒など香りが重要な酒に適しています。一方、お猪口は口が狭く香りが閉じこもりやすいため、繊細な香りが楽しみにくいです。しかし陶器の厚みがまろやかな口当たりを提供し、特に燗酒に最適です。

また素材の違いも重要です。陶器は日本酒の風味を柔らかくし、雑味を和らげる効果があります。グラスはクリアで軽やかな味わいを引き出し、特に冷酒やフルーティーな酒に向いています。

器によって香りや味わいが大きく変わるため、飲む日本酒に合わせた器選びが重要です。

お猪口(陶器)のメリット・デメリット

お猪口は、日本酒を飲む際に伝統的に使われてきた酒器。日本酒を嗜む方は、お猪口で飲むという人も多いのではないでしょうか?

ここでは、お猪口のメリット・デメリットを紹介します。

お猪口のメリット

陶器のお猪口で飲む日本酒は、日本酒の味わいをまろやかにし酒全体に深みを与えます。そのため、日本酒らしい米の旨味や甘みがダイレクトに伝わる点が最大の魅力といえるでしょう。

また陶器は熱伝導率が低く耐熱性があるため、熱燗に適しています。温度が変化しにくいため狙った温度を保ちやすく、冷酒から熱燗まで幅広い温度帯の日本酒に対応できるのもお猪口の魅力です。

お猪口のデメリット

一方で、お猪口にもデメリットはあります。

お猪口は小ぶりなため香りが広がりにくく、日本酒の繊細なアロマを感じとりづらい場合も。また飲み口に厚みがあるため、複雑な味わいも感じづらくなってしまいます。

そのため本格的な日本酒を楽しむ際には、香り・味わいが取りづらいため本来の魅力を十分に発揮できない可能性があります。特に、香りが特徴の吟醸酒などは、お猪口よりもグラスの方が向いています

グラスの特徴

近年では、グラスで日本酒を飲むケースも増えてきました。それではなぜ、日本酒をグラスで飲むのでしょうか?

次にグラスのメリット・デメリットを確認してみましょう。

グラスのメリット

グラスは口が広く、日本酒の香りを存分に楽しめる点が最大のメリットです。

特に、フルーティーな吟醸酒や大吟醸酒は、グラスを使用することで香りがより鮮明に感じられます。

ワイングラスのように飲み口が薄いものを選べば、口当たりも繊細になり、日本酒の微妙な味の変化を楽しむことも可能です。

またグラスは温度変化が大きいため、1杯で味や香りの変化を楽しめるのも魅力的です。

グラスのデメリット

一方で、グラスにもデメリットがあります。

まず、グラスは陶器に比べて熱伝導率が高いため、燗酒には不向きです。温かい日本酒を入れるとすぐに温度が下がってしまい、適温を維持しにくいという点が挙げられます。

また、グラスは日本酒の味をダイレクトに伝えるがゆえに、雑味も感じやすくなります。雑味が少なくクリアな味わいの日本酒には適していますが、クセの強い日本酒を飲む場合には逆効果になることもあるので注意が必要です。

お猪口VSグラス|同じ日本酒で飲み比べ

お猪口とグラスのメリットとデメリットをおさえたうえで、実際に同じ日本酒で飲み比べをしてみます。

今回はお猪口と日本酒専用グラス・SAKE TASTING GLASSを使用します。香り華やかな純米吟醸をテイスティングしてみましたが、それぞれ味わいや香りはどのように感じられたのでしょうか?

お猪口

まずはお猪口でテイスティングしてみます。

香りは穏やかで、日本酒らしいお米のアロマが感じられました。時間が経過しても大きな香りの変化はないものの、日本酒らしい柔らかな香りを堪能できます。

味わいはまろやかで、米の旨味が広がる豊かなコクを感じます。また、ボディは強い印象をうけました。

日本酒専用グラス・SAKE TASTING GLASS

次は日本酒専用グラス・SAKE TASTING GLASSで試してみましょう。

SAKE TASTING GLASSで注いだ日本酒はお猪口とは異なり、すっきりとした香りが感じられます。メロンのようなフルーティーさもあり、華やかな印象が魅力的です。

また温度が上がってくると和梨や米のアロマが感じられるようになり、時間経過とともに異なる印象を楽しめました。スワリングするとさらに香りは広がり、桜のようなフローラルなアロマも感じられます。

飲んでみると透明感のある繊細な味わいが楽しめます。お猪口はしっかりとした味わいに感じましたが、SAKE TASTING GLASSで飲む日本酒は軽やかでソフトな味わいに感じられました

ソムリエ厳選!日本酒にぴったりなグラス

グラスとお猪口にはそれぞれのよさがありますが、本格的な日本酒のポテンシャルを最大限に楽しむのであればグラスは外せません。

最後にソムリエ厳選の日本酒専用グラスをご紹介します!

SAKE TASTING GLASS

SAKE TASTING GLASSは今回の飲み比べで使用したグラスで、日本酒を正しく感じ評価できることを目的に開発されました。

日本酒の持つ繊細な香りや味わいを正確に伝えるため、飲み比べや品評会、日本酒の学習などに活躍します。

つまり日本酒の本来の魅力やポテンシャルを伝えるのに最適なグラスです。日本酒を学習したい方や、日本酒の正しい味わいや魅力を伝えたい蔵元や飲食店など、日本酒に携わる多くの方におすすめのグラスといえるでしょう。

天頂

天頂はフランス・シャンパーニュ界の巨匠であるフィリップ・ジャメス氏が日本酒を飲んでテロワールや香りの豊かさに感銘を受けたことから開発されたグラスです。

そのためどんな日本酒グラスよりも香りを表現することに長けており、普通の酒器では感じられないような日本酒の奥に隠れた個性まで愉しむことが可能です。

日本酒愛好家への支持が高く、「日本酒をもっと楽しみたい」と考えている方に強くお勧めしたいグラスです。

また球形のユニークながらもエレガントな佇まいは、高級レストランでも活躍すること間違いありません。香りを最大限に表現する天頂は、新感覚の日本酒体験を提供可能です。

そのため日本酒愛好家の方はもちろんのこと、本格的な日本酒を取り扱う提供者の方にも強くお勧めしたいグラスです。

おわりに

今回の記事ではお猪口とグラスで感じる味わいの違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説しました。

酒器は日本酒を楽しむうえで、非常に大きな影響を及ぼします。お猪口とグラスの特徴を踏まえて酒器を選べば、いつもの日本酒がより一層美味しく感じられるはずですよ。

今まで何となく「お猪口を使っていた」という方は、日本酒をグラスで楽しんでみてはいかがでしょうか?